片開きの「登拝門」について
大山は、古くより霊験あらたかな神体山として崇敬を集めているお山でありましたため、明治初年の神仏分離までは、この登拝門は夏の山開き大祭(7月27日〜8月17日)期間以外は固く閉ざされ、山頂への登拝は禁止されていました。
登拝門の鍵は遠く元禄時代より、280年に及ぶ長い間、大山三大講社の一つである東京日本橋のお花講が保管し、毎年7月27日の夏開きには、お花講の手により扉は開かれる慣例となっており、現在もその精神は連綿として継承されています。
その後、明治20年には登拝者の増加に伴い、春山開き大祭(当時は4月5日〜15日) が新たに設けられ、この期間の山頂登拝が出来得ることとなり、山頂登拝の規制は徐々にゆるめられました。
更に、みのげ・日向・ヤビツ峠方面等の表参道以外よりの登山道が開かれると共に、昭和40年には国定公園に指定をされ登山者は急激に増加いたしましたので要望にこたえて、現在では年間を通して常時庶民の山として登拝門は開かれるようになりました。
然し、その結果は、必然的に登拝門の伝統的意義と性格が失われてまいりましたので、ここに往時をしのびつつ登拝門のもつ史跡としての重要性を考え合わせて、一枚の扉のみを閉じて片開きといたし、その名残をとどめることといたしました。
よろしくご理解の上、ご登拝下さるようお願いいたします。案内板より。
片開きの「登拝門」の案内板
登拝門をくぐると登山道の入り口です。
長く続く階段に初めての登山者は、まずここで必ず凹みます。そして、この階段を登り終えると頂上だと勘違いします。